諸戸組 社会貢献活動報告
竹取物語事業化協議会による桑名市民会館ロビー内装木質化プロジェクト
発端
桑名市では放置竹林の増加問題に関して、死産(しさん)ではなく、資産活用できないか、という目的で桑名市と民間企業が竹取物語事業化協議会として集まり様々な検討を行っています。
当社も1年ほど前からこの協議会に参加しており、同メンバー企業である飛騨産業株式会社様より、今回の桑名市民会館の内装木質化リフォーム工事への大工工事協力要請がありました。
桑名に本社を置く当社として同市に貢献できるという機会と考え、お話しを伺ったことが発端です。
お話しを伺ったのち、公共施設ということや普段扱っている建物とは異なる作業であるため、技術提供というよりは歩掛り提供であれば、当社の諸戸組での作業を無償提供しますと、お話しをさせていただきました。
当社としては、この仕事を通じて、同市への社会貢献はもちろん、諸戸組メンバーの外部実績による「誇り」の醸成など、さまざまな相乗効果が得られることも請け負う上での大きな要素になりました。
桑名竹取物語事業化協議会
https://kuwana-taketori.studio.site/
一筋縄ではいかぬ、着工までの道のり
様々な部署の方が携わる公共事業であることもあり、施工詳細や期間など何度も時間をかけ打ち合わせをさせていただきました。
公共施設に設置するモニュメントであるため、万が一にも施工不良があってはいけないという大きな責任の中、諸戸組は木造しか経験がなく、RC造の経験がないため、事前にしっかり段取りする必要がありました。
そのため、飛騨産業株式会社様とも綿密な打ち合わせを何度も重ね詳細な施工図面を作成いただき、また当社の一級建築士も参加し施工方法を考え、全員一丸となって取り組みました。
お話をいただいた際は、RC造の経験値がないことから「出来ないこと」に注視してしまいネガティブな考えになることもありました。しかしながら、諸戸組が積んできた経験値の中で「出来ること」を探り出し挑むことが重要と考え直し、全員が「やってみよう」というポジティブな気持ちで臨めたことが原動力となって、完工を迎えることができました。
施行して一番大変だった作業
ロビー壁へモニュメントを取付けるために行う「墨出し」作業が、一番大変な作業でした。
足場を組んだあと、壁の実寸を調査し、取付けるための起点を決めます。
実寸調査後、施工図面にある寸法と精査し再計算して、取付け位置を割り出します。
この作業は、施工当日でないとできない作業になり、作業時間の大半はこの「墨出し」作業に費やしました。
初めて携わる公共施設での作業は、普段と違い、たくさんの方が作業の様子を見ておられ、普段以上に安全を意識しました。大変、緊張感があり、手に汗握る作業でした。
完工したモニュメントを見て
前記したようにたくさんの困難がありましたが、出来上がったモニュメントは素晴らしく、誇らしい気持ちとやり遂げた達成感で満たされています。チャレンジすることの大切さを学びました。
公共施設という、たくさんの人の目にふれ、後世に残る仕事ができたことに感無量です。
このチャンスをいただけたことに深く感謝します。ありがとうございました。
写真中央:伊藤徳宇桑名市長