チェルシーフラワーショー2024現地レポート「シルバーギルド獲得!」
5月21日から一般客を招いた「チェルシーフラワーショー(以下、CFS)」は、25日に閉幕。当社社員が参画した石原和幸氏のチームは、審査の結果「シルバーギルド」を獲得し、世界に日本の庭づくりのレベルの高さを披露した。庭づくりも含めて約1ヶ月。イギリス・チェルシーから帰国した社員たちに話を聞いた。
石原先生から学んだあるべきリーダーの姿。
今回の経験を生かし、世界レベルで通用する家づくりとは何かをあらためて意識しました。
井上翔太(チーフプロデューサー兼チェルシープロジェクトリーダー)
帰国して最初に思ったのは、このような貴重な経験を与えてくれた会社、石原先生、そして一緒に仕事をした職人の皆さんへの感謝の気持ちです。特に石原先生からは、庭づくりに関するさまざまな知識や姿勢を学ぶことができ、大変感謝しています。
CFSの間、石原先生はよく未来や夢の話をされていました。65歳を超えてもなお、自身の未来にワクワクし、夢を語れることがすばらしいと思いました。若輩者の私にも「これ、どう思う?」と意見を求める素直さ、年下からの意見も広く吸収していこうとする貪欲さ、そして人をよく見る観察力のすごさも感じました。暗い表情をしている人に、積極的に声がけするなど、目配りと気配りをする方です。これはそのまま、リーダーとしての力につながると感じました。石原先生のような方だからこそ、多くの職人さんから信頼され、毎年一緒にCFSに挑戦できるのだなぁ、と。
多くの学びがあると同時に、世界で戦うことの厳しさも痛感しました。私たちが今後、世界に出ていく上で日本の企業が注目されるためには、現地の方々を圧倒するほどのデザインや品質を持った家を見せつけなければなりません。どうすれば、私たちの家に注目してもらえるのか。どうすれば、新たなビジネスを生むことができるのか。今回、イギリス人の暮らしを知り、イギリス人の視点や価値観を学んだことで、世界を意識した新たな自分のスタートを切りたいと思っています。
チームの動き方、職人さんたちから得た格言。
これらの経験を元に、これまで以上にポジティブな姿勢で仕事に向き合おうと決意。
島涼太(諸戸組 棟梁リーダー)
チームに加わる前は、石原先生をはじめ、職人さんのリーダー格のような方が全体をまとめていくのかと思っていました。しかし、実際に庭づくりが始まると、それぞれの担当を持ちながら全員が主体的に動き、自分のやるべきことをこなしていく動き方をしていました。しかもそれぞれが全体を見て、手の足りていないところは自分の専門外であっても積極的にフォローしていきます。その組織の動き方がとても勉強になりました。
長い時間、庭づくりをしていると当然トラブルも起こりますが、チームの皆さんはそんなときでも焦ることなく原因を究明し、どう対処するかをすぐに考え、実行します。そしてリカバリーすることで、以前よりももっと良くしようという気持ちが伝わってきました。優れたチームとはピンチもチャンスに変える力を持っているのだと実感しました。
今回の経験は、家づくりの現場でつくりながら管理する私の立場において、学ぶべきことが数多くありました。その中でも印象的だったのは「仕事をする上で大事にしていること」をいろいろな職人さんに聞いた答え。「失敗が成長の元!」、「チャンスがあるなら飛び込め!」、「責任あるポストを任せられることに抵抗感を持つな!」など、いろんな意見を与えてくれました。CFSでの経験を胸に、これからはいままで以上にポジティブな姿勢で仕事に臨みたいと思っています。
より良い家づくりを実現する。
常にそのゴールを見据え、逆算して考え、動くことを学びました。
濱畑かい(諸戸組 棟梁)
石原先生の言動に触れて、いちばん強く感じたことは、夢を語りつづける力。それがあるからこそ、職人さんたちのモチベーションも上がるし、毎年参戦したいと思う原動力になるのだと思いました。今回は結果、シルバーギルドでしたが、石原先生はチームのみんなや庭を観に来ているお客さんの前では悔しいそぶりを一切見せず、庭をアピールしている姿にも心を打たれました。そして何より印象に残ったのは結果を受けて何を改善すべきか、すでに来年を考えているところ。反省点を生かし、次につなげるようとする貪欲な姿勢は、見習わなければならないと思いました。
CFSに行く前と帰ってきたいまでは、いい意味で周りの目や人のことを気にしなくなったように思います。自分のできるすべてを費やし、仕事に集中すれば、それがおのずと自信につながるのだと思いました。あとはスピードの重要性。自分の担当外だから手を出さない、とかそういうことではなく、気づいた人がやる。あれこれ頭で考えるより、まず動く。その大切さも学びました。
「いい庭づくりをするためにはどうすればいいのか?」。CFSでは庭づくりを家づくりに置き換え、考えていました。これからも常にゴールを見据えて、逆算しながら考え、動くことを意識したいと思います。
この挑戦を活かし、お客様に心豊かで最良な人生を提供していきます。
今回制作した庭は過去最高の人気で、庭の正面はたくさんの来場者で溢れ、裏口まで長蛇の列ができました。イギリス国王チャールズⅢ世もご訪問され、お褒めの言葉をいただき、カミラ王妃やユージェニー王女をはじめ、王族の方が多数お見えになりました。ファッションデザイナーのポール・スミス氏やQUEENのブライアン・メイ氏など数々の著名人も訪れ、庭を堪能していただきました。
今回の挑戦から得たさまざまな経験をこれからの家づくりに活かし、お客様に心豊かで最良な人生を提供してまいります。