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活動報告

チェルシーフラワーショー2025現地レポート「いよいよ庭づくりスタート」

5月2日から杉山、濱畑、菅の3人はチェルシーフラワーショー(以下、CFS)に向けての現地作業を開始。一足先に現場入りしていた島と一緒に、いよいよ本番に向けての庭づくりがスタートする。今回、4人がメインに取り組む石原潤氏(以下、潤氏)の「コンテナガーデン部門」は5月9日から製作が始まるため、現段階では石原和幸氏(以下、石原先生)の「ショーガーデン部門」の製作に携わる。

石原先生の細部にわたるこだわり。その姿勢を日本でのプロデューサー業務に反映する。

杉山 貴紀(シニアプロデューサー)

到着1日目はCFSの会場を見学するつもりでしたが、時間がかかってしまったため、宿舎に直接入り、石原先生たちと一緒に食事を取りました。その席で石原先生は「みんなで金メダルを取りにいくぞ!」と気合い充分。私たちの気分を鼓舞していただき、モチベーションが上がった瞬間でした。
2日目に会場入りすると、想像以上に大規模な祭典で圧倒されました。私は土を掘ったり、石を運んだりする現場作業をしました。体力的に厳しかったですが、そんな中でも石原先生が現場でどのように立ち振る舞うのかを見逃すまいと観察していました。特に印象的だったのが、庭の見え方、見せ方へのこだわりです。庭をさまざまな角度から眺め、来場者や審査員からどのように見えるのかを細かくチェックし、庭の中につくった茶室の中に入れる家具や観葉植物、小物に至るまで置き方や角度を調整していました。これは自分たちの家づくりにも通じる視点で、とても参考になりました。また、荷物を運んできた木製パレットを壊し、古い釘を集めることもしました。最初は「この釘をどうするんだろう」と思いましたが、茶室の古びた雰囲気を出すため、新品の釘ではダメだと言うのです。そんな細かい部分にもこだわるんだ! と深く感銘を受けました。
5月9日からはいよいよ本命のコンテナガーデン部門の製作が始まります。大工仕事のサポートをしながら、確実な作業を心掛けたいと思っています。一つひとつの作業をこなすだけでなく「プロデューサーとしての仕事に置き換えて考える」ことを重視し、自分の仕事に反映できるようにしていきたいです。また同時に、世界を見据えた家づくりへの感性も養っていきたいですね。

日本での現場とは違う経験することで、どんどん経験値が蓄積される。

島 涼太(諸戸組 棟梁リーダー)

私はみんなよりも2週間くらい前に現地に入り、ショーガーデン内に設置する本格的な茶室をつくっています。日本での大工仕事の大半はプレカット(事前に切断、加工)された材料を組み立てていく作業が中心となりますが、今回は一点モノとなり、すべて手刻みでつくっていきます。手刻みとは、寸法に合わせて木材に墨付けし、それに合わせて切っていく工法で、木の癖や木材の特性を見抜く力が必要とされます。実際に茶室をつくるときには、曲がった木などを使用することもあり、それらを丸ノコなどの電動器具を使わず手で切っていきます。このような作業をすることで、自分の経験値がどんどんと積み重なっていく感覚を実感しています。
また、庭づくりにはさまざまな地域の大工さんが集まってきているため、それぞれの地域による違いも学ぶことができました。同じ作業でも言い方が違ったり、モノの呼び名が違ったり。教え方も多様で本当に勉強になります。日々、反省と成長の連続で、まだ2週間くらいしか経っていないのに、ものすごい量の経験値が自分の中に入ってきています。
もうすぐ始まるコンテナガーデンでは、日本で試作を重ねた屋根や庇をすでに用意してあり、準備万端! 納得いくものをつくりあげていきたいです。

モチベーションを高く維持し、壁の乗り越え、全員で協力して作品をつくりあげます!

濱畑 かい(諸戸組 棟梁)

去年は初参加だったため、多少浮足立ったところがありましたが、今回は2回目ということで落ち着いて現場作業に入っていくことができました。大工職人について茶室に使う材料を切る作業をメインで行っています。特に気を遣ったのは、限られた材料しかないため、ミスなく効率的な切り出しを行うことです。当然のことですが、材料は無限にあるわけではありません。そのため無駄を一切出さないつもりで、緊張感を持って作業にあたりました。このような経験は日本ではできないと思います。この経験で、早く、確実に、無駄のない仕事をすることの大切さをあらためて実感しました。
左官の仕事では新たな発見もありました。茶室の壁の下地を塗るときに、時間や資材も限られていたので、通常は使わないステープル(ホチキス)を多数使用していたのです。ステープルを最後まで打ち切らず、途中で止めることで、下地が引っかかり、壁一面に均等に下地が乗るのです。この方法は実際の家づくりでは行いませんが、その場の状況で臨機応変に動く姿勢は、対応力という気づきをもたらしてくれました。
今後、作業が進んでいくと自分なりの壁に当たることが出てくると思います。そんなときでも前向きにモチベーションを保ち、解決策を見つけていきたいです。私たちのメインであるコンテナガーデンの製作では全員で協力しあって納得のいく作品をつくりあげていきます!

迅速に対応していくすごさを実感。自分から能動的に動き、成長につなげていきます!

菅 嘉孝(諸戸組 棟梁)

出発の空港ロビーで、石原先生から「チェルシーに行くぞ! 金メダル取るぞ!」と鼓舞され、否が応でも気分が盛り上がりました。初めての海外ということもあり、現地は見るものすべてが日本と違い、新鮮でした。1日目の食事のときは先に入っていた大工の皆さんの真剣な表情に緊張感があり「いつまでも浮足立っていられなれない!」とあらためて帯を締め直して臨みました。
現場では茶室の床を張るなど、内装部分を中心に担当しています。天井部分の下地は見えないにも関わらず、しっかりと塗装しているのはなぜだろうと思ったのですが、ほんのわずかな隙間が見えたときに、塗り残しがあれば興ざめしてしまうとのこと。古びた茶室をイメージしているので、そこに新品の木材が見えてしまっては台無しになってしまうというのです。ほんのわずかな、もしかしたら見えないかもしれないところにもこだわる。そこに石原先生のすごさを感じました。また、現地ではより良い庭づくりをするために、職人さんたちが石原先生の急な変更指示も、スピード感をもって対応していることも印象に残りました。
私もそれを見習い、職人さんから「これ、切って」と言われたらすぐに実行する。もしくは言われる前に動くことを念頭に作業していきたいと思います。アンテナをはり、周りを見る力を養い、分からないことがあったら、積極的に聞いて自分の成長につなげていきます!

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