太隅匡彦氏
[Profile]
2000年から花や緑による空間デザインの事業に携わる。2012年に造園施工管理技士の資格取得後、本格的に造園事業に参入。自然と人が繋がる豊かさを、より多くの人に感じてもらうためにキミドリ株式会社を創業し、様々な分野へ活動の輪を広げている。
名古屋「SUPER LUXURY The Chikaramachi」
主税町の散策し、この町に育つ樹々や景観をつぶさに観察していきました。同時にこの邸宅に住まわれる方の姿も思い描きました。テーマとしたのは「調和と円満。穏やかで温かい寛ぎの空間」です。円、丸、球をモチーフにしたのは、始まりも終わりもない形状が、途切れることのない永遠性や連続性、完全性を象徴しているから。自然と人が調和した空間に、家族円満な寛ぎの時間を実現したい。そう考え、植栽のディテールを詰めていきました。

ーExteriorー
外構の植栽で目を引くのが、シンボリックな5mの赤松です。主税町の町並みと調和しながらも、高級感と上品な印象を演出します。理想の樹形を探すために、赤松の本場である福島県まで足を運び、何百本もある樹々の中から、この邸宅に合う1本を探し出しました。赤松の下には地被類を組み合わせ、バランスの取れたシンボルツリーとしています。

ーEntrance 坪庭ー
エントランスホール正面にある坪庭にも、赤松と黒竹を組み合わせることで、和の世界観を表現しています。坪庭は室内と屋外をつなぐ自然の窓。一日の時間や四季の移ろい、天気などエントランスホールから感じ取ることができます。

ーBalconyー
インナーバルコニーには竹のプランターを配置。これによって外部からの視線を適度に遮りながら、開放感も叶えることができます。風が吹けば、竹の葉が緑のハーモニーを奏で、揺らぐ光と影の美しさに目を奪われるでしょう。この邸宅でしか得られない安らぎの瞬間です。

ーRoof balconyー
ルーフバルコニーは生命力あふれる濃い緑を持つ樹々や植物を約20種類集めています。躍動感ある幹の形状が印象的なシェフレラは、八丈島産のものを選びました。幸福の樹、縁起の良い樹と言われるドラセナも生命力に満ちた気を感じさせます。個性が競演するルーフバルコニーに出れば、自然と元気をもらえることでしょう。

名古屋「徳川町 NOBLE LUXURY」
まず現地を訪れ、空気感を五感で確かめてみました。邸宅のコンセプトやデザインを踏まえながら、植栽は「美意識、モノトーン、洗練」というキーワードをもとに、シンプルモダンな方向性を見出しました。素材やフォルムによる視覚的な美しさ、香りや空気感といった感覚的な美しさを融合させた植栽を創造し、住む人に安らぎの空間を提供しよう。そう考えて計画を進めていきました。

ーExteriorー
アプローチや外構には住む人や客人を迎え入れるように、美しいシルエットの樹木を選定しています。昼間は四季折々の美しさをたたえ、夜は間接照明によるライトアップでモダンな印象をより際立たせます。マッドブラックのプランターを連続して置くことで、スタイリッシュで洗練された印象を創出しています。

ーBalconyー
2階のバルコニーには、リビングダイニングから美しい植栽を眺められるようマットブラックの大型プランターをバランスよく配置しています。やわらかな間接照明が当たったときに、そのシルエットが強調され、より美しく見える植物を選定しました。シンプルモダンを最も堪能できる場所と言えます。

名古屋「徳川町 AUTHENTIC LUXURY」
邸宅のコンセプトは「ジャパンディ」。植栽はここから想起される「やわらかさ、ミニマリズム、自然素材」というキーワードを軸に計画していきました。「ジャパンディ」という言葉を聞いて、私が最初にイメージしたのは、三重県志摩市にあるホテル「アマネム」でした。無垢の素材を生かしたやわらかい色合いがもたらす空気感をこの邸宅に表現したい。そう考え、オリーブを中心に茶系からシルバーグリーン系の色を持つ樹種を選定していきました。足下には季節によって色づくグラス類を配置しています。

ーExteriorー
フォーカルツリーには樹形の美しいオリーブとタイサンボクを採用しました。低木と地被には柔らかな印象のパンパスやグラス類を配置し、四季によって色の変化を楽しめるようにしました。植栽帯の縁には、ベージュ系の割栗石などを置くことで、柔らかな曲線を描き、モルタル造形で模した一枚岩との親和性を狙っています。

ーRoof balconyー
広大な面積を持つルーフバルコニーは、周囲の視線を遮りつつ、開放感も同時に叶えたいことから、樹形やサイズ、配置などにこだわりました。バイオフィリックデザインでは、緑視率が高いほど、人の幸福度も向上するというデータが出ています。緑を眺めてほっと一息つける時間を、このルーフバルコニーで体感してほしいと思います。
