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京表具伝統工芸士

田中善茂氏

[Profile]
表具を専門とする「弘誠堂」の二代目。表具とは「襖、壁装」などの実用的な分野と「掛け軸、額装、屏風、画帖、巻き物」など美術工芸品、高度な技術と豊かな経験が要求される「古美術」の修復まで含まれる。田中氏は経済産業大臣表彰をはじめ、数々の受章歴を誇る。

東京「代々木上原の邸宅」

襖絵や屏風絵はね、作品をどれだけ長持ちさせるかが大切なんです。そのためには表面に貼る絵よりも、下地づくりが肝心。組子というフレームは、木に水分が残っていると経年で変形してくるから長期間、自然乾燥させます。その上に和紙の「下張り*注1」をするんですが、和紙の標準サイズ(約90㎝×60㎝)を8つ切りにし、その紙を重ねて張っていく「浮け掛け」をします。これによって湿度が上下しても、表面の絵への外的圧力を分散し、ダメージを軽減できるわけです。そして最後に表貼り。今回、私が提案した40以上の素材の中から諸戸の家が選んだのは、内閣総理大臣賞を受賞した帯に使用された引箔。すばらしい審美眼をお持ちだと思いましたね。大森さんの絵の両側にこのパネルが来て、龍を引き立てる。それが何十年も美しいままでいられたらいいですね。それが“究極の裏方”、私たちの仕事の醍醐味です。
*注1:「下張り」 本来は伝統工芸品仕様として組子&骨縛りをベースとして「蓑掛け」「蓑縛り」「浮け掛け(2回以上)」「浮け縛り」を経て上張りとなります。

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